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2025.10.01
牡蠣解禁の舞台裏〜品質検査から出荷まで、安全な牡蠣が食卓に届くまでの365日〜

「牡蠣解禁」という言葉を耳にすると、多くの方が「やっと牡蠣の季節が来た!」と思われることでしょう。
でも実は、その裏には1年を通じた厳格な管理体制と、無数の検査・確認作業があることをご存知でしょうか。
お客様の食卓に安全で美味しい牡蠣をお届けするために、私たち牡蠣生産者がどのような取り組みを行っているのか。
今回は、一般的な方法と中野水産独自の取り組みを比較しながら、牡蠣が食卓に届くまでの365日の舞台裏をお話しします。
目次
牡蠣解禁って何?どうして「解禁」が必要なの?
スーパーで牡蠣を買う時、「生食用」と「加熱調理用」の表示を見たことがありませんか?
実は生食用の牡蠣には「解禁期間」というものがあるんです。
広島県では例年11月上旬から翌年3月末頃まで、この期間だけ生食用牡蠣の出荷が許可されています。
どうして解禁期間があるのかというと、一番の理由は安全性です。
夏場の高い水温時期は細菌が繁殖しやすく、また牡蠣自体も産卵期で身が痩せてしまいます。
つまり解禁は、お客様に「最も安全で美味しい時期の牡蠣」をお届けするための広島県独自の大切な仕組みなんですね。
でも、この解禁は突然決まるものではありません。
実は1年を通じた綿密な準備と検査の積み重ねがあってこそ実現するものなんです。
秋:解禁に向けた集中検査期間
一般的な解禁前検査
秋になると、いよいよ解禁に向けた本格的な検査が始まります。
主な検査内容は以下の通りです。
必須検査項目
- 細菌検査:大腸菌群数、腸炎ビブリオ菌の数値確認
- 身入り検査:牡蠣の肥満度測定
- 官能検査:見た目、匂い、味の確認
これらの検査をすべてクリアして初めて、生食用牡蠣として出荷することが許可されるんです。
どれか一つでも基準値を超えると、その年の生食用出荷は認められません。
中野水産の独自検査システム
私たちは法律で決められた検査に加えて、独自の検査も行っています。
特に大切にしているのが、専門スタッフによる味覚検査です。
長年牡蠣に携わってきたベテランが、一つ一つの牡蠣を実際に食べて確認します。
中野水産の追加検査
- 専門スタッフによる味、食感、香りの詳細チェック
- 色、光沢、形状の美しさまで確認
- 個々の牡蠣の育成履歴を完全把握
「法律的には合格でも、お客様に自信を持ってお出しできる品質か?」
これを常に問いかけています。
実際、法定基準をクリアしていても、私たちの基準では不合格になることもあります。
中野水産だけの「浄化」システム

他社との最も大きな違いは、私たちが誇る「浄化」という工程です。
一般的な牡蠣処理と比較してみましょう。
一般的な牡蠣の処理方法
- 海水槽での数時間の保管
- 基本的な洗浄・選別
- 目視による検査
中野水産の独自の浄化工程
- 専用ろ過器を通した特別に清浄な海水を使用
- 一晩という長時間をかけた徹底浄化
- 自然の海流を再現した流れの中での浄化
- 紫外線殺菌装置による追加の安全対策
この工程により、臭みを完全に除去して、牡蠣本来の甘みだけを残した「美浄生牡蠣」が誕生するんです。
実際に食べていただくと、「こんなに甘い牡蠣は初めて」「全然臭くない」というお声をたくさんいただいています。
そして何より、私たちが選んだのは音戸の瀬戸という特別な場所です。
平清盛ゆかりの美しい海域で、広島県が指定した清浄海域の中でも特に水質が良いエリアなんです。
冬:出荷期間中も気を抜かない毎日
解禁後の一般的な管理
解禁になったからといって、管理が緩くなるわけではありません。
出荷期間中も適時の細菌検査を続けて、安全性を確認し続けます。
また、4℃以下の冷蔵管理を徹底して、品質を保ったまま出荷します。
中野水産の出荷期間中の取り組み
私たちは出荷期間中でも、気を抜くことは一切ありません。
出荷する牡蠣すべてに対して、その日の品質をチェックしています。
「昨日は大丈夫だったから今日も大丈夫」ということはないんです。
特に大切にしているのが、熟練した打子さんの技術です。
牡蠣を殻から取り出すこの作業は、見た目以上に高度な技術が必要なんです。
貝柱を傷つけずに美しく取り出すには、長年の経験と繊細な手さばきが必要です。
私たちの打子さんは、一つ一つの牡蠣を大切に扱い、丁寧に仕上げてくれます。
見えない努力:スタッフ教育への取り組み
安全で美味しい牡蠣をお届けするためには、最新の設備や技術だけでは不十分です。
そこで働く人の意識と技術が何より大切だと考えています。
一般的な品質管理教育
- 年1回の衛生講習会参加
- 手洗い、消毒の基本的な指導
- 食品衛生法の基礎知識習得
中野水産の人材育成プログラム
- 月1回の社内研修(最新技術の共有)
- 大学や研究機関での専門技術習得
- ベテランから若手への技術継承
- 「自分の家族に食べさせたい品質か?」の意識統一
特に大切にしているのが、「自分の家族に食べさせたい品質か?」という問いかけです。
作業に関わる全員が、この気持ちを忘れずに牡蠣と向き合っています。
ベテランスタッフから若手への技術継承も積極的に行い、中野水産の品質を次の世代に受け継いでいます。
完全な履歴管理:どこで誰が育てたかまで分かります
食の安全を考える上で、トレーサビリティ(履歴管理)はとても重要です。
万が一何か問題があった時に、原因を特定して対策を取ることができるからです。
一般的な養殖場では、養殖場所や出荷日時などの基本的な記録を保管しています。
「誰がどこで育てた牡蠣なのか」が分かるので、安心してお召し上がりいただけると思います。
季節ごとの詳しい取り組み

春:次のシーズンへの準備
春は新しい養殖シーズンに向けた準備の季節です。
一般的には養殖施設の点検や種苗の準備を行いますが、私たちはさらに外部の専門業者による設備診断も受けています。
来シーズンに向けて海域環境のデータを蓄積したり、新しい養殖技術の導入を検討したりもします。
「今年より来年、来年より再来年をもっと良くしたい」という思いで、常に改善を続けています。
夏:牡蠣を育てる環境の向上
夏は牡蠣を育てる環境を整えます。
牡蠣を垂下する筏の修理、次のシーズンに向けて牡蠣筏の移動などを行います。
また広島県全域の牡蠣生産者の海岸の一斉清掃などを行い、より良い環境になるように活動しています。
秋:段階的な品質チェック
解禁の1ヶ月前から、週単位で品質確認を行います。
急に検査を始めるのではなく、段階的にチェックすることで、最適なタイミングで出荷を開始できるんです。
この時期は浄化システムの調整も行います。
設備の性能を最適化して、今年一番美味しい牡蠣をお届けできるよう準備を整えます。
冬:毎日の品質確認
出荷期間中は、毎日その日の牡蠣の状態をチェックします。
「昨日良かったから今日も大丈夫」ということはありません。
海の状況は日々変わりますし、牡蠣の状態も微妙に変化するからです。
お客様からいただくご質問やご要望にも、迅速にお答えしています。
「この牡蠣、どうやって食べたら一番美味しいですか?」といったご質問から、「配送日を変更したい」といったご要望まで、お気軽にお声かけください。
お客様からの嬉しいお声
こうした取り組みの結果、お客様からたくさんの嬉しいお声をいただいています。
東京都のA様からは
「他社の牡蠣では時々お腹を壊すことがあったのですが、中野水産さんの牡蠣は一度もありません。安心して生で食べられるのが嬉しいです」
というお声をいただきました。
広島県で料理店を経営されているB様からは
「お店でお客様に提供する以上、安全性は最優先。中野水産さんの牡蠣なら自信を持って提供できます。美味しさも抜群です」
と言っていただけました。
福岡県のC様からは
「小さな子どもがいるので食の安全にはとても気を使います。品質がしっかりしているので安心してお取り寄せしています」
というお声も。
こうしたお客様の声が、私たちの何よりの励みになっています。
これからの取り組み:さらなる安全性向上を目指して
私たちは現状に満足することなく、さらなる安全性向上を目指しています。
技術革新への投資
- IoT技術によるセンサー監視システムの拡充
- AIを活用した品質予測システムの開発
- 自動化による人的ミスの削減
- 国際的な安全基準への対応
環境への配慮
- 海洋環境保全活動への積極的参加
- 持続可能な養殖方法の研究継続
- 地域コミュニティとの連携強化
国際的な安全基準への対応も進めており、HACCP認証の継続的な改善や、将来的な海外市場も視野に入れた品質管理を行っています。
美しい音戸の海を次の世代にも残していきたいという思いで、環境保護にも力を入れています。
最後に:お客様への3つのお約束

牡蠣解禁の裏には、このような365日間の綿密な管理と、数え切れないほどの検査・確認作業があります。
一般的な基準を満たすだけでなく、私たち独自のより厳しい基準を設けることで、お客様に最高の安全性と美味しさをお届けしています。
私たち中野水産からお客様への3つのお約束があります。
まず一つ目は「安全性への妥協なし」です。
法定基準より厳しい自社基準での品質管理を徹底し、お客様に安心してお召し上がりいただける牡蠣をお届けします。
二つ目は「美味しさの追求」です。
独自の浄化工程により、臭みのない甘みたっぷりの最高品質の牡蠣を作り続けます。
そして三つ目は「透明性の確保」です。
お客様にすべての情報を開示し、安心してお選びいただけるようにします。
私たちにとって、お客様の「美味しかった」「安心して食べられた」という声が何よりの励みです。
これからも、この365日の取り組みを継続・発展させ、より安全で美味しい牡蠣をお届けしてまいります。
音戸の瀬戸の美しい海で育った牡蠣を、安心してお楽しみください。
私たちの想いと技術のすべてが詰まった牡蠣を、ぜひご賞味ください。
中野水産では、お客様に安心してお召し上がりいただけるよう、
今後も品質管理体制の向上に努めてまいります。
ご質問やご不明な点がございましたら、お気軽にお問い合わせください。
